子供や大人のADHDに対する認知度が以前に比べて上がってきていますが、
肝心な治療薬が
- ストラテラ
- コンサータ
しかありませんでした。
しかしここにきて第3のADHD治療薬であるインチュニブ錠が、ついに日本で発売されることが決定しました。
今回はこのインチュニブ錠の薬価(値段)はいくらなのか?コンサータ・ストラテラと比較してみました。
目次
インチュニブ錠とは
インチュニブ錠はアメリカやヨーロッパなど世界33カ国で服用されているADHD治療薬です。
インチュニブ錠の作用機序は、すでに日本で発売されているコンサータやストラテラとは異なるものです。
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なので今までコンサータやストラテラを服用していてもADHD症状改善に満足できなかった人にとって、新たな治療薬になるのではないかと期待されています。
インチュニブ錠の効果についてはコチラ⇩⇩
ADHDの第3の治療薬、インチュニブ錠がついに発売されることになりました。今回はこのインチュニブ錠はどのくらい効果がある…
インチュニブ錠の薬価(値段)はいくら?
さて新たなADHD治療薬として期待が大きいインチュニブ錠ですが、いったいインチュニブ錠の薬価(値段)はいくらなのでしょうか?
日本で発売されているADHD治療薬(ストラテラ・コンサータ)の薬価(値段)は、比較的高いのでどうしても気になっちゃいますよね。
ストラテラの薬価(値段)
規格・剤形 | 薬価(値段) |
---|---|
ストラテラカプセル5mg
(1カプセル) |
272.5
|
ストラテラカプセル10mg
(1カプセル) |
324.7
|
ストラテラカプセル25㎎
(1カプセル) |
409.5
|
ストラテラカプセル40㎎
(1カプセル) |
461.2
|
ストラテラカプセル内用液
(1ml) |
209.2
|
大人の場合、ADHDの症状によって最大1日120㎎(ストラテラ40㎎×3)服用することがあります。
よって1カ月(30日)で
461.2×3×30=41508
健康保険で3割負担だと
41508×0.3≒12452
コンサータの薬価(値段)
規格・剤形 | 薬価(値段) |
---|---|
コンサータ錠18mg
(1錠) |
337.8
|
コンサータ錠27mg
(1錠) |
374.3
|
コンサータ錠36mg
(1錠) |
402.6
|
大人の場合、ADHDの症状によって最大1日72mg(コンサータ錠36mg×2)服用することがあります。
よって1カ月(30日)で
402.6×2×30=24156
健康保険で3割負担だと
24156×0.3≒7247
[br num=”1″] インチュニブ錠の薬価(値段)についてもここでお伝えしたいのですが、現時点ではまだインチュニブ錠の薬価(値段)については公表されていません。
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しかし、医師の処方によって服用できるインチュニブ錠のような処方箋医薬品の薬価(値段)の決め方についてはあるルールがあります。
そこでここからはインチュニブ錠の薬価(値段)を独自で予想したいと思います!
新医薬品の薬価(値段)の決め方
それでは早速インチュニブ錠の薬価(値段)を予想していきたいと思いますが、その前にインチュニブ錠のような処方箋医薬品の薬価(値段)はどのようにして決定するのかご存知でしょうか?
もしかしたら食料品や日用品と同じように、販売する会社が決めているのではと思う人もいると思います。
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しかし残念ながら処方箋医薬品を販売する会社(製薬メーカー)は薬価(値段)を決めることはできません。
頑張って薬を開発したのだから、製薬メーカーが薬価(値段)を決めていいように思えますが、すべての処方箋医薬品の薬価(値段)は国(厚生労働省)が決めています。
[br num=”1″] 処方箋医薬品の薬価(値段)を国が決めている理由としては一部に税金が使われているためでもあるのですが、一般的な商品のように市場原理が働かないよう薬価(値段)はルールに基づいた算定方法によって決められます。新医薬品の薬価算定方式
日本での新しい医薬品の薬価の決め方は大きく分けて
- 類似薬効比較方式
- 原価計算方式
があります。
類似薬効比較方式
類似薬効比較方式は、すでに同じ効果をもつ類似薬が発売されている場合にとられる算定方式です。
類似しているかの判断は
- 効能及び効果
- 薬理作用
- 組織及び化学構造式
- 投与形態、剤形区分、剤形及び用法
の観点から判断されます。
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比較される薬は、原則として薬価に収載されてから10年以内の新薬で後発品がないものが用いられます。
そして類似薬より優れている部分があれば有用性加算、市場性加算、画期性加算などとして薬価が高く加算されます。
原価計算方式
日本に発売されている薬の中で似たような薬がない場合は、原価計算方式によって薬価が決められます。
薬価を決める際には原材料費、研究費、製造経費などが考慮されて決定されます。
インチュニブ錠の薬価(値段)を予想!
新医薬品の薬価算定方式によって薬価が決まることを知って頂いたところで、インチュニブ錠の薬価(値段)を予想していきたいと思います!
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まず類似薬効比較方式か原価計算方式かについてですが、インチュニブ錠の場合はコンサータ・ストラテラが日本で発売されているので、類似薬効比較方式で薬価(値段)が決まるのではないかと思います。
そしてストラテラの薬価が決まった時はコンサータ18㎎が比較対象となったので、インチュニブ錠の時もコンサータ錠18㎎の薬価(337.8円)が比較対象になるのではと予想します。
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次にインチュニブ錠に加算がつくかどうかですが、コンサータに比べて禁忌事項(投与できない人)が少ないので有用性加算(+5~30%)は加算されると思います。
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インチュニブ錠の規格には1㎎と3㎎があるのですが、【コンサータ錠18㎎の薬価+加算】がどちらの規格に反映されるのかはそれぞれの用法・用量が違うので予想するのが難しいところです。
ただインチュニブ錠1㎎の薬価が300円を超すことは間違いないのではと推測されます。
エスタリック錠の薬価(値段)の影響は
ADHDの治療薬として販売されるインチュニブ錠ですが、実は以前に日本でも降圧剤(商品名:エスタリック錠)として販売されていたことがあります。
【どちらも成分はグアンファシン塩酸塩。エスタリック錠は2005年で商業的理由(恐らく利益がでなかった)で販売中止。】
販売されていた頃、エスタリック錠の規格は0.5㎎だったのですが薬価は
22.4円
と非常に安いものでした。
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新医薬品の算定方法は上述したとおりなので、たとえ同じ成分であってもエスタリック錠のように薬価(値段)は安くはならないと思います。
ただしこのことが考慮されて、あまり加算はもらえないような気がします。
インチュニブ錠の薬価(値段)が決定!
インチュニブ錠の薬価がついに決定しました!
予想どおり類似薬効比較方式でインチュニブ錠の薬価が決定されたのですが、比較対象となった薬はストラテラカプセル40mg(461.2円)でした。
そしてインチュニブ錠はストラテラと同等の効果であると判断されたため加算は特につきませんでした。
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ただし、外国のインチュニブ錠の薬価(外国平均価格)と比べると若干高めであったため
最終的に
- インチュニブ錠1㎎⇒412.2円
- インチュニブ錠3㎎⇒544.3円
となりました。
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今回のインチュニブ錠の外国平均価格は
- インチュニブ錠1㎎の外国平均価格⇒357円
- インチュニブ錠3㎎の外国平均価格⇒413.4円
でした。
インチュニブ錠の1ヶ月の費用
インチュニブ錠の薬価が決まったので、ここではインチュニブ錠を1ヵ月服用したらどのくらい費用がかかるのかについてまとめたいと思います。
インチュニブ錠の規格には1㎎と3㎎がありますが、1日の服用する量は体重によって変わります。
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ほとんどの人がインチュニブ錠の維持用量で服用を継続するすると思うので、それぞれの維持用量で1ヶ月どのくらい費用がかかるのか計算したいと思います。
(検査費用・処方料などの計算は除いて計算しています。)
インチュニブ錠の維持用量
体重 | 維持用量 |
---|---|
17kg以上25kg未満
|
1㎎
|
25kg以上38kg未満
|
2㎎
|
38kg以上50kg未満
|
3㎎
|
50kg以上63kg未満
|
4㎎
|
63kg以上75kg未満
|
5㎎
|
75kg以上
|
6㎎
|
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:17kg以上25kg未満
体重が17kg以上25kg未満の人におけるインチュニブ錠の維持用量は1㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
412.2×30=12366
3割負担で
12366×0.3≒3710円
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:25kg以上38kg未満
体重が25kg以上38kg未満の人におけるインチュニブ錠の維持用量は2㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
412.2×2×30=24732
3割負担で
24732×0.3≒7412円
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:38kg以上50kg未満
体重が38kg以上50kg未満の人におけるインチュニブ錠の維持用量は3㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
544.3×30=16329
3割負担で
16329×0.3≒4899円
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:50kg以上63kg未満
体重が50kg以上63kg未満の人におけるインチュニブ錠の維持用量は4㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
412.2×30+544.3×30=28695
3割負担で
28695×0.3≒8609円
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:63kg以上75kg未満
体重が63kg以上75kg未満の人におけるインチュニブ錠の維持用量は5㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
412.2×2×30+544.3×30=41061
3割負担で
41061×0.3≒12318円
インチュニブ錠の1ヶ月の費用:75kg以上
体重が75kg以上の人におけるインチュニブ錠の維持用量は6㎎なので
1ヵ月(30日)服用を続けるとすると
544.3×2×30=32658
3割負担で
32658×0.3≒9797円
[br num=”1″] 体重が増えていくとインチュニブ錠の飲む用量も増えていくので、1ヵ月にかかる費用の負担も大きくなっていきます。
自治体によっては中学生まで医療は無料の所もあると思いますが、高校生までの年齢になるとこのような補助もないところが多いです。
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インチュニブ錠の1カ月の費用もストラテラやコンサータのように高くなってしまうのですが、以前に薬代を安くする方法について記事を書きました。
ADHDの治療薬は継続して服用することがほとんどなので、ぜひ時間がある時にご覧ください。
ADHDの薬であるコンサータ・ストラテラの薬代が高くて困っていませんか?今回はADHDの薬代が高くて悩んでいる方のために…
インチュニブ錠の薬価(値段)はいくら?コンサータ・ストラテラと比較まとめ
今回はインチュニブ錠の薬価(値段)はいくらなのか、コンサータ・ストラテラと比較についてまとめてみました。
数少ないADHDの治療薬が増えることはとてもいいことなのですが、薬価(値段)が高いのが非常に残念です。
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ただ新たに発売されるインチュニブ錠は、コンサータやストラテラと異なる作用機序のため選択肢が増えるという点でも今後期待されています。
現在服用できる2種類のお薬で「効果がイマイチ、副作用が出現」など、ADHD症状でお悩みの方はぜひ一度医師に相談してみて下さい。