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ADHDの原因の1つに妊娠中のタバコが影響しているのではないか、という研究が以前から行われていますが実際はどうなのでしょうか。

今回は今までに行われたADHDと妊娠中のタバコについての研究についてまとめ、喫煙の影響について検証したいと思います。

ADHD タバコ

なぜ妊娠中のタバコが悪いの?

妊娠中のタバコがADHDの原因であるかないかを検証する前に、なぜ妊娠中のタバコが子供にとって悪影響なのかはみなさんご存知でしょうか?

ここでは妊娠中の喫煙がどうしてリスクがあるのかを簡単にまとめてみました。

妊娠とタバコ①有害物質による胎児毒性

タバコに有害物質がたくさん含まれていることは、最近テレビでもや学校の授業でも教えられることがあるので知っている方も多いと思います。

有名なタバコの有害物質といえばニコチンですね。
他にも

  • タール(発がん性)
  • シアン化水素(通称『青酸カリ』)
  • ベンゼン(発がん性)
  • ホルムアルデヒド(シックハウス症候群の原因)
  • トルエン(シンナーの成分の1つ)
  • アンモニア(アルカリ性による腐食作用)



などの有害物質がたくさん含まれています。

参照:厚生労働省【たばこ煙の成分分析について:http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/seibun.html】


これらの有害物質による胎児毒性(たいじどくせい:子供が母親のお腹にいる時に発育や機能を悪くする性質)により、


水頭症(すいとうしょう)
⇒脳保護液である脳脊髄液が頭蓋内に過剰にたまっることで脳が圧迫されたり、頭蓋内の圧力が高くなってしまう。

無脳症(むのうしょう)
⇒大脳が全くないか、小さくなっている状態。妊娠中に死産になってしまうか、生まれてもすぐに亡くなってしまうことが多い。

二分脊椎(にぶんせきついしょう)
⇒中枢神経のもとになる神経管の形成している時に問題が発生し、生まれた後歩行や排尿障害などが起こる。

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)
⇒唇や上顎に裂け目が残ってしまうこと。発音や飲食がうまくできないことがある。

心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそんしょう)
⇒心臓の右心室と左心室にある壁に穴があいた状態。心臓や気管支の病気を起こすことがある。


などのリスクを高めると言われています。

妊娠とタバコ②有害物質による血管収縮

先ほど有害物質としてニコチンなどは血管を収縮する作用があります。

なので妊娠中に喫煙をしていると赤ちゃんと母親をつなぐ胎盤の血管も収縮し、栄養や酸素の供給が少なくなるので発育が低下してしまいます。


また流産早産胎盤早期剥離(たいばんそうきはくり:子供が母親のお腹の中にいる時に、栄養や酸素を供給する胎盤がはがれてしまうこと)などのリスクも上昇するという研究結果もあるので妊娠中はタバコを控えるのが望ましいです。

参照:日本小児科学会学術集会【妊婦の受動喫煙と胎児、子どもへの影響 :http://www.jascs.jp/kinen_kagaku/2010/2010-03/kinen-kagaku2010-03-P1.pdf】

妊娠と喫煙を理解するために

先ほど妊娠中のタバコの危険性について簡単にまとめましたが、文字だけではあまり頭に入ってこない方もいると思います。

そのような方には以前TBSで実写テレビドラマ化された『コウノドリ』を見ることをオススメします。

コウノドリは累計部数150万部を超える人気の漫画で産婦人科が舞台になっています。


未受診妊婦、14歳の妊娠、高齢出産、障がい児など出産にまつわる話が多く盛り込まれていて、もちろん喫煙による危険性がテーマの話もあります。

コウノドリの放送はすでに終わってしまったのですが、今なら期間限定でTSUTAYA DISCASが30日無料キャンペーンをやっているのでコウノドリを無料で見ることができます。

もちろんコウノドリを見終わった後、まだ無料期間が残っていれば他の映画やテレビドラマも無料でみれるので30日間ギリギリまでTSUTAYA DISCASを利用するのがお得ですね。

ADHDと妊娠中のタバコに関する研究一覧

それでは妊娠とタバコの危険性を知っていただいたところで、今までに発表された妊娠中のタバコとADHD関係性についての研究を1つ1つみていきたいと思います。

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ADHDの原因はタバコなのか?ワシントン大学の研究

まず1つ目の研究は2007年にワシントン大学で行われてた研究です。

この研究では

・妊娠中にタバコの煙を吸わなかったグループ

・妊娠中に喫煙していたグループ

・職場や家庭で周りの人がタバコを吸っていたために間接的にタバコの煙を吸っていたグループ

と分けて研究が行われてました。


その結果、妊娠中に喫煙していたグループまたは間接的にタバコの煙を吸っていたグループは、タバコを吸っていないグループに比べADHDの症状ある子供が多いという結果になりました。

残念ながらタバコがどのように影響してADHDを引き起こしたかまではこの研究ではわかっていません。

しかし研究者の推測としてタバコに含まれるニコチンが脳の発達に影響を与えたのではないかとまとめています。

参照:ワシントン大学【Mothers’ second-hand smoke exposure while pregnant linked to children’s ADHD :http://www.news-medical.net/news/2007/06/28/26999.aspx】


この研究ではタバコのどの成分がADHDの発症に関わっているかを特定することができていませんが、タバコが何らかの形でADHDの発症に関係していることを示唆しています。

間接的にタバコの煙を吸っても影響がでる可能性を指摘しているので周りの人による喫煙にも注意をしたほうがいいかもしれませんね。

ADHDの原因はタバコなのか?ニコチンの濃度の研究

2番目の研究は2011年に行われた8歳から15歳までの約3000人のニコチンの濃度を調べてADHDと関連性があるのかを調べた研究です。

この結果ではタバコの煙を吸っていない人より、タバコの煙を間接的に吸っていたグループのほうがADHD、うつ病、不安、行動障害を起こしている割合が多いという結果となりました。


今回の研究ではADHDの発症の原因が妊娠中の喫煙によるものなのか、それとも生まれてから副流煙を吸っていたことによるもの(受動喫煙)なのかは区別できていません。

しかし研究者は受動喫煙が子供達の脳にどのような影響を与えるのかをより調べる必要があり、子供達の受動喫煙は避けるべきと話しています。

参照:Reuters Health【Secondhand smoke may affect kids’ mental health :http://www.reuters.com/article/us-secondhand-health-idUSTRE73673220110407】


今回の研究はADHDと受動喫煙による相互性は決定づけていませんが、受動喫煙による子供の気管支喘息の関連性を指摘する研究もあるので子供が生まれた後も喫煙は控えたほうがいいですね。

ADHDの原因はタバコなのか?小児神経科の研究

3番目の研究は広汎性発達障害をはじめとする小児神経科の専門的なクリニックである安原こどもクリニックで行われた研究です。

この研究ではADHDの子供をもつ母親167人(平均年齢39歳)を対象に喫煙率を調べています。


その結果、喫煙率は46.7%となりました。
一般の母親の喫煙率が17.4%なのでおよそ2.7倍という喫煙率の高さです。

この中でも出産時の年齢が20~24歳の喫煙率は87.5%とさらに高い割合(一般の若年層の母親の喫煙率34.7%)となっています。

この研究では対象の人数が少なく、ADHDの発症リスクをだしているわけではないですがADHDの子供を持つ母親は喫煙率が高いことを示しています。

参照:安原こどもクリニック【母親の喫煙は子供のADHD発症に影響する:http://www.white-family.or.jp/healthy-island/htm/herusi/lesson70.htm】


ADHDとタバコに関する研究は海外で行われたものが多い中、この研究は数少ない日本で行われた調査です。

特に若い人による喫煙が非常に高いことに驚きました。
調査した人数は少ないですが、喫煙とADHDとの関連性があるように思えます。

ADHDの原因はタバコなのか?タバコ以外の可能性の研究

ここまではどちらかというとADHDの原因はタバコの可能性が高いという研究結果を挙げましたが、タバコとは別に原因があるのではないかという結果を示した研究もあります。

それが968,665人もの大規模な人数が対象となったデンマークの研究です。

この研究では多動性障害(HKD)またはADHDと診断を受けた子どもの母親の喫煙状況を調査してADHDとの関連性を調べています。


その結果、妊娠中の喫煙は子供にADHDを発症させる危険性はあるが兄弟姉妹で比較すると関連性は低いという結果がでました。

なので研究者達は喫煙自体の直接的な関連性よりも、その他の要因が関わっている可能性があるという結論に至っています。

参照:J Child Psychol Psychiatry.【The risk of attention deficit hyperactivity disorder in children exposed to maternal smoking during pregnancy – a re-examination using a sibling design.:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26511313】


比較的最近の研究、しかも大規模なものでタバコとADHDの関連性を疑われる研究が発表されたのは驚きですね。

しかしタバコの危険性については変わりないので、喫煙はしないほうがいいと思います。

ADHDの原因は妊娠中のタバコ?世界中の研究から喫煙の影響まとめ

今回はADHDの原因が妊娠中のタバコにあるのか、世界中で公表された研究から喫煙の影響を検証してみました。

ADHDと妊娠中のタバコに関する研究は世界中で行われていますが、現時点ではまだ確定的な原因とは結論付けてはいません。


しかしADHDが発症する以外のリスクについては高まる可能性もあるので、喫煙は控えることが望ましいと思います。

ADHDと妊娠中のタバコに関する研究が新たに公開されましたらまたこちらのページでお伝えしたいと思います。

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