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父親や母親にADHDの症状があると、もしかして自分もADHDが遺伝しているのではないかと気になる方もいると思います。


妊娠中にタバコを吸うことによるADHDの危険性については以前紹介しましたが

もし父親や母親がADHDの場合、子供に遺伝する確率は一体どのくらいあるのでしょうか?

今までに行われたADHDと遺伝に関する研究についてここでまとめてみたいと思います。

ADHDと遺伝に関する研究:アメリカ

アメリカでは父親・母親のどちらかがADHDだった場合、子供がADHDになる確率を調べた研究があります。

この研究によると子供がADHDになる確率は最大で50%と報告されています。

そして兄弟姉妹にADHDの子供がいる場合には、いない子供に比べて5~7倍の確率でADHDを発症するという報告もされています。



この研究はアメリカで行われたものですが、結果から親子や兄弟姉妹でADHDが遺伝しやすいことが理解できます。

ADHDと遺伝に関する研究:家庭・家族の比較

この研究ではADHDの子供を持つ家庭・家族を様々な角度から研究しています。

ADHDの子供がいる家庭といない家庭

まずこの研究で行ったのが、ADHDの子供がいる家庭といない家庭を比較しています。

その結果、ADHDの子供がいない家庭に比べてADHDの子供がいる家庭の第一度親族(子供の父親・母親・兄弟姉妹)には、ADHDをもつ確率が5倍高かったと報告しています。

5倍というとかなり確率が高いといえるので、ADHDは遺伝するのかもしれないですね。

双子におけるADHD

次に行ったのが双子の子供がADHDだった場合を比較した研究です。

ADHDが遺伝によるものなら、双子の場合二人ともADHDになることが予想されます。



気になる研究結果ですが、

  • 一卵性双生児‥二人ともADHDの確率⇒50~80%
  • 二卵性双生児‥二人ともADHDの確率⇒30~40%
  • 遺伝率(遺伝で説明できる割合)⇒76%

という結果になりました。

一卵性双生児
1つの受精卵が途中で完全に2つに分裂して成長した双子

二卵性双生児
別々の2つ受精卵がそれぞれ成長した双子



結果をみると双子ということで、二人ともADHDになる確率は高めになっています。

ただ多くの一卵性双生児の場合、血液型・DNA・性別が同じになるのですが二人ともADHDである確率は50~80%となっています。

なのでADHDは遺伝による影響は大きいが、それだけでは決定されないのではないかと推測されます。

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ADHDと遺伝に関する研究:特定遺伝子

大阪大学の研究では、ADHDの発症に特定の遺伝子が関係あるのではないかと考え研究を行いました。

この研究チームでは特定遺伝子である「マイクロRNA484」という遺伝子に注目し、この遺伝子を重複してもつマウスを作成し実験を行っています。

その結果マウスが胎児の時に脳で神経細胞が過剰に作られ、生まれた後落ち着きなく動き回るなどの症状を示したことが報告されました。


まだこの研究はマウスにおける報告ですが、人間でも同じような遺伝子を見つけることができればADHDの解明に一歩近づくことができますね。

まとめ

今回はADHDが遺伝する確率はどのくらいなのか、父親と母親との関連性についてまとめてみました。

多くの研究結果からADHDと遺伝の関連性は、比較的強いものではないかと推測されます。


ただたとえADHDが遺伝していたとしても、そこまで悲観する必要はありません。

以前に比べADHDの認知度は上昇し、薬や支援サービスも充実してきています。

中にはADHDの特性を生かして成功されている方もいます。


なのでもしADHDが遺伝したとしても、ADHDの症状を理解しきちんと向き合うようにしましょう。

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【参考文献:注意欠如・多動症(ADHD)特性の理解:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/57/1/57_27/_pdf】

【参考文献:ADHDなどの原因、特定遺伝子の重複 阪大解明 :http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05H69_V00C16A7000000/】